Grateful and Graceful

Grateful(常に感謝を忘れずに)、そして Graceful(優美でしなやか)に、毎日を笑顔で過ごしたいと思っています

忍耐と報われた苦労

私は会社で総務部ではないのに、

よく総務が放置した面倒な仕事を振られます。

 

そんな仕事の中に、総務スタッフ全員が面倒くさがって

10年近く放置していたものがありました。

 

それは、30年くらい前のリゾート設備の会員権です。

 

大昔のバブル期、多くの会社がこぞって買ったリゾート会員権、

リゾート施設が老朽化してもなお、

会員権を手放すこともできず、放置されていたものです。

 

なぜ会員権を手放せないかというと、

契約上、新たな買い手がいないと譲渡できなくなっているのです。

 

10年くらい前に「売りたいです」と伝えたそうですが、

売りたいと思っている法人リストの2番目と言われ、

そのまま10年たった今でも、2番目のまま。

 

そして毎年、百万円を超える会費を払っているわけです。

 

不動産の価格が新築から下がる一方の日本で、

こんなふうに契約期間が不確かで、

なおかつ将来的に不良債権になることが目に見える会員権を

1つや2つじゃない数を買っていたうちの会社。

 

どこをどう考えても、

メリットよりもデメリットの方が大きいのに・・・

 

当時のマネジメント陣の頭の中を覗いてみたいものです。

 

そんな感じで社内でも不良債権化していた会員権、

半年くらい前に中途入社した上司に「どうにかしろ」と言われ、

何か月もの時間を費やして、

契約書や契約施設の詳細を調べ上げました。

 

上司は売りたかったみたいですが、

当時の契約形態を聞いて、売るのは諦めたようです。

 

でも、会員権を売ることができないのであれば、

せめて活用実績を作ったほうが良いと考えたようで、

施設の詳細を調べて、

社員向けの資料を作るよう言われました。

 

なぜなら、このリゾート施設は

古いけれど温泉付きのところもあって、

例えば箱根だったら1泊1室(2-5名宿泊可)12,000円と

外国人旅行客に荒らされ放題のホテル市場において

かなりお得なお値段で泊まれるのです。

 

だから、ラグジュアリーさよりもお値段重視の

若い社員が喜ぶのではないかと思ったようです。

 

でも、通常業務をこなしつつの作業です。

しかも、日本語と英語の両方の資料を作れと言われました。

 

100件近くあるリゾート施設を1つ1つ調べて、

全ての施設のサイトを見て、

地図で場所を調べて、設備を調べて・・・

 

それをリストアップするのに、

かなりの忍耐と時間を費やしました。

 

なんとか社員が泊っても大丈夫そうなレベルの(それほどボロくない)

施設のリストを作りあげて、

予約方法のマニュアルなども作って、

ようやく社員に案内できるところまで作り上げました。

 

そして、形になったものを社員にアナウンスできたのが

つい先週のことでした。

 

そして、さっき社員の一人からこんなメールが届きました。

 

 

 

 

温泉宿に安く泊まれることになって、嬉しい!

と言ってくれているのです。

 

なんだか、ここ数か月の苦労と忍耐が報われました。

 

たった一人の社員の、たった一言ですが、

それでも、仕事のモチベーションが上がりました ✨

 

誰もやりたがらないことで、

「なんで私が・・・しかも総務スタッフじゃないのに」

と思って、嫌になった時期もありましたが、

頑張って良かったです。